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会社をクビになりそう!クビ宣告されたピンチを助ける10の対処法!

「君、仕事の覚えが悪すぎるよ。もうクビね」

 

「そんなにミスばっかりしでかして、もう会社辞めたら?」

 

「あなたはうちの会社には合わなさそうだから、はい。クビです」

あなたもこのように「仕事の能力」や「社風に合わないこと」などを理由に、いきなり仕事をクビにされて落ち込んでいませんか?

いきなり仕事をクビにされたら、現実的にも生活に困りますし、そんなすぐに新しい仕事を見つけることもできずに、本当に頭が真っ白、思考がフリーズしてしまいますよね。

会社からいきなり「クビ宣告」を受けたときはどのように対処すればいいのでしょうか?

こんなときは何よりも冷静になることが大切。「いきなり仕事をクビにされて冷静でいれるわけがない!」という気持ちもよくわかりますが。それでもやはり「冷静」になることが重要です。

今回は「もう会社辞めてくれる?」と仕事でクビを宣告された人向けに、その窮地を助ける方法をお話していきます。会社が社員をいきなりクビにできるケースは、法律上限られいます。

もしそのクビ宣告を受け入れなければならなくなったとしても、出来るだけ有利に退職できるようにその方法を一緒に考えていきましょう!

会社からクビ宣告されてもまずは冷静になろう

会社をクビになりそうなとき、冒頭で申し上げたとおり、まずは「冷静さ」が大切になってきます。「辞めてくれ」と言われたときに、どれだけ冷静に対応できるかで、その後の運命は大きく変わってきます。

「もう来るな」「辞めてくれ」「オマエなんて必要ない」など、何を言われたとしても、絶対にそこで即答はしてはいけません。

まずは「考えさせてください」とだけ返答して、辞めるかどうかをとりあえず保留にしておくことです。ここで辞めてしまうと「自己都合」の退職になってしまいます。

ほかにも、あなたをクビにするために、退職金の上積みであったり、「自由に仕事を探していいよ」と、次の転職先を探すために退職までの猶予期間を与えてくれたりすることもあるかもしれません。

その条件が良い条件で、それであなたが納得できるなら、そこで辞めてしまうのは一つです。

ただ、その条件を呑んで辞めてしまうことで、実は損をしている場合が少なくありません。スジの通らないことを会社が押し付けてくる可能性だってあるのです。

たとえば、「あなたは三カ月間、うちに在籍しながら自由に仕事を探してください。その間は仕事もほとんどないですし、給料もきちんと支払いますよ」と言われたのにもかかわらず、やたら仕事をさせられるケースが結構あります。

このように会社の口約束はアテにはなりません。

会社が退職金を上積みするのも、それ以上のメリットが会社にあるから。そこのところを念頭において、自分から辞めるかどうかを考えた方がいいです。

2つの退職パターンの違いを知ろう

退職には2つのパターンがあります。仕事をクビにされそうなときは、この2つの違いをまずは知っておきましょう。

社員が自分の都合で辞める「自己都合」退職と、会社の都合で辞めさせられる「会社都合」。

「会社都合」で辞めれば、すぐに失業給付を受けられるなど手厚い保障が待っています。しかし、「自己都合」で辞めてしまえば、失業給付もおよそ3か月後からとかなり遅くなります。

「会社都合」で辞める場合につく「解雇予告手当」(約1か月分の給与)ももらうことができません。

このように仕事をクビにされるにしても、その辞め方によって金額にも大きな差がつくのです。

日本では、経営不振や人員整理など会社の都合で社員をクビにする場合でも、「自己都合」で辞めさせようとする会社ばかりです。

退職を勧められると、すぐに「辞めます」と退職届を出してしまう人が多いのですが、「自己都合」で辞めてしまうと、国すら助けてくれなくなってしまうのです。

会社からクビ宣告されても「会社都合」で辞めると超おトク

このように仕事をクビにされるときは、出来るだけ「会社都合」で辞めれるように行動するのが鉄則。

月給30万円の人の場合で簡単な計算をしてみましょう。

まず、労働基準法では解雇、つまり「会社都合」の退職であれば、1か月前の予告か、「解雇予告手当」の支払いを義務付けています。

これが自分から辞める場合には適用されません。即日解雇であれば、これで約1か月の給与分、30万円になります。

また、自分から辞めてしまった場合には「自己都合」の退職になってしまうため、雇用保険で保障されている失業給付でも損をしてしまいます。

「会社都合」退職の場合には、すぐそのときから雇用保険から失業給付金が支給されますが、「自己都合」で辞めてしまえば3か月の給付制限がつきます。

つまり会社をクビになって、手続きをしてから3か月間は、一銭ももらえないということ。

支給額は月収30万円の人の場合、およそ20万円程度。これを3ヵ月分とすると、60万円にもなります。

もちろん3か月をすぎれば「自己都合」で辞めても給付は受けることができます。しかし、無給で生活するのに困らないほど貯金をしているような人でなければ、給付なしでは生活することができません。

その結果、何かしら次の仕事をせざるを得なくなりますが、急いで仕事を探すと、ロクなことがありません。「派遣社員や契約社員、アルバイトでも、とにかく食いつながなければ!」と妥協することになるのです。

その意味では「自己都合」退職によって、転職の面でも大損をする可能性があるということ。

これは一生に関わってくる問題なので、失敗すれば予想以上にダメージがでかくなります。一度でも妥協して、不本意な転職をしてしまうと、そこから這い上がるのはかなり難しくなってしまうのです。

これに加えて「自己都合」で辞めた場合には、その解雇が違法だったとしても、裁判や団体交渉で争うときに、かなり不利になってしまいます。

裁判や団体交渉での解雇の正当性を争って、会社に非を認めさせた場合には、数か月分の賠償金を取ることができます。あなたが望めば、職場に戻れる可能性もでてきます。

これはケースによって額が大きく変わってきますが、最大限少なく見積もっても給与の3か月分はもらえます。とすればその金額は、90万円にも。

これらを合計すると、なんと180万円にもなるのです!

このように具体的な数字にしてみるとよく分かりますが、「自己都合」でクビになるのと「会社都合」でクビになるのとでは、ものすごく大きな差があるんです。

クビの正当性を争うことや、社会保険を活用するすべての可能性があなたが「辞めます」と言った瞬間になくなってしまいます。

会社から「もう辞めてくれ」と言われたとしても、すぐに自ら「そうですか。なら辞めます」なんてことは言わないように注意してください。

「退職届」は撤回できる

仕事をクビにされそうになったときに、もう一つ注意したいのが会社から求められたからと言って「退職届」を提出しないことです。

「退職届」を提出するという行為は、自分から「辞めます」というときに提出するもの。会社都合で辞めるときには必要ありません。

ここでミスって、すでに「退職届」を提出してしまった人は、かなり苦しくはなりますが、なるべき早く撤回する旨を書面かメールで会社に伝えましょう。場合によってはなかったことにできることがあります。

会社から「あなたの退職届を受け付けました」という旨があなたに伝えられていなければ、法律的にいえば、退職届はまだ受理されていないことになります。

つまり、この時点では退職届を撤回するのは、そう難しくありません。

会社から「あなたの退職届を受け付けました」という旨がすでにあなたに伝えられていれば、これはもうゴネるしかありません。

いきなりクビを宣告されて、よく分からないままに会社の言いなりになって同意してしまったこと、本心ではないことなどを主張してみましょう。

コミュニティ・ユニオンや日本労働弁護団に相談するのも一つです。

クビになったとしても何とか「会社都合」で辞めよう

昨今のリストラは、自分は働き続けたいのに会社が無理やり辞めさせる、明らかな「解雇」のケースが多いのです。ここでいう「解雇」とは、本来は「会社都合」退職であるのに、「自己都合」退職へと追い込もうとする、なんとも悪質なクビの切り方のこと。

クビを切ることに対して、労働法はさまざまな条件を会社にかけています。簡単にクビを切れてしまうと、働く人たちの生活がものすごく不安定になってしまうからです。

かなり高いハードルをクリアしない限り、合法的に社員を解雇できません。労働法では「正当な理由」のない解雇は認められないという立場をとっています。

だから、基本的には「解雇」は争えば、「無効」になる可能性が高い。契約社員や派遣社員、アルバイトなど「有期雇用」の場合であっても、「無効」となることが多いものです。

無効な解雇で精神的苦痛を負わせたという意味では、もちろん「違法行為」でもあるのです。

だけど、ここで大切なのは、解雇が「違法行為」となるかどうかは、本人次第だということ。

もし「辞めてくれないか」と言われたときに「はい。わかりました」と答えてしまった場合、会社と社員との間には辞めることの「合意」が成立してしまいます。

そうすると「会社都合」ではなく、「自己都合」で退職することになってしまいます。

会社が悪意を持っているときには、「自己都合で辞めてくれないか」「退職届を書いてくれないか」などと言われることもあります。

もしこれに同意して辞表や退職届を書いてしまうと、これも「自己都合退職」になってしまいます

これを聞いて「まさか!自分は大丈夫!そんな書類に自分がサインするはずがない!」と思う人も多いかもしれません。

でも、これまで僕の元に相談に来た多くの人たちが、会社からいきなりクビを言われて、動揺したまま退職届を書いてしまっています。

会社から「もうクビ!」と言われて腹が立ち、「こんな会社、こっちから辞めてやるわ!」

こんな感じですね。

これはとんでもない罠で、会社としてはクビにしたい社員が自分から辞める気持ちになることを狙っているのです。

あなたが思っているほど、会社は社員にやさしくありません。クビの話を持ち出されたときには、会社が「違法行為」をしていると思って間違いありません。

会社の「クビにしよう」という意図をハッキリさせて、「会社都合」で辞める方向にもっていってください。

解雇で辞めると再就職に不利になるはウソ

社員をクビにするようなとき、会社側の人間は「解雇で辞めると再就職で不利になるから、自己都合で辞めたほうがいいですよ」と言ってきたりもします。

でも、これはとんでもない大ウソです。

ハローワークの職員によれば、「自己都合」で辞めるほうが転職の面接などで印象がいい、ということはあまり考えられないそうです。

むしろ「勝手な人」というイメージを抱かれかねません。

クビを匂わせたり、宣告したりされれば、誰でも頭が真っ白になってしまいます。そういう弱みにつけ込んで、「解雇で辞めると再就職に不利になる」と信じ込ませようとするわけです。

「自己都合で辞めた方があなたのためなんです。あなたのために言っているんです」

こんな優しい言葉で、罠ににかけてくるんです。

それまでいい感じに働けていたら、コロッと騙されてしまう人もきっと多いでしょう。でも、解雇で辞めても再就職の面で大きく変わることはありませんから、「会社都合」で辞めれるようにもっていきましょう。

「会社都合」で辞めるテクニック

仕事をクビにされそうになったら、まず「私は辞める意思はありません!」ということをしっかり伝えましょう。

そのうえで「それでも、クビと言うのですか?」と確認しましょう。

そのやり取りをICレコーダーなどで録音しておけば完璧です。

Eメールなどの文書で、同じようなやり取りをするのもいいでしょう。それでも、相手が「もう会社にはくるな!」と言った時点で「会社都合」での退職になります。

「会社都合」ではクビにしづらい

「会社都合」のクビはハードルが高いんです。会社は人を雇った以上、クビにするにはそれなりの要件が必要になってきます。

「会社都合」のクビ、つまり「解雇」が法的にOKとなるパターンは主に次の3つだけです。

1. 労働能力上の理由による解雇

これは、病気やケガなどを理由にするもの。しかし、「病気なら何でもいい」というものではなく、仕事をするのに関係のない病気や、すぐに回復しそうな病気であれば、クビにする理由にはできません。

また、ノルマの達成など勤務成績を理由に解雇することも、改善の見込みがあれば、クビにすることは許されません。

働く人間には生活や将来があるので、「仕事はできない」などと勝手に決めつけてクビにすることはそう簡単にはできないのです。

2. 労働者の行為・態度を理由とする解雇

これは無断欠勤や遅刻、サボりなどが理由となるケースですが、これについても改善の見込みがあるかどうかが問題となります。

業務時間内にパチンコや麻雀、エステなどに行ったり、昼休みを勝手に何時間も取ったりしているような社員は、たしかに問題です。

こういう社員に会社が指導をしてもどうしようもないときには、クビを正当化することができます。

3. 経営上の理由による解雇

これは、解雇理由にされることがもっとも多いもので、いわゆる「リストラ」です。

「会社の経営が厳しいから」と言われると、多くの社員は「じゃあ仕方ない」と納得してしまいます。相談を受ける中でも「仕方ない」と経営者についつい同情してしまう人もいます。

たしかに、会社の経営自体が成り立たなければ、社員への給与を支払い続けることもできません。

ですが、「本当に仕方ない」というケースはとても少ないのが実情。

というのも、経営上の理由でクビにする場合には、4つの条件が必要だからです。

「人員整理の必要性」「解雇回避努力」「人選基準の合理性」「労働組合・当事者との協議」のすべてを満たす必要があります。

「人員整理の必要性」とは赤字が何年間も続くなど、客観的に見て本当に必要性がある場合にのみ認められます。多くの裁判事例では、赤字になる前から経営上の都合でクビを切ることは「不当」だと判断されているのです。

さらに、必要性があったとしても、配置転換や退職金などを上積みした希望退職を募るなど「解雇回避努力」をして、解雇される人の人選が合理的で、説明もじゅうぶんにされていない場合には、クビにできないのです。

クビを切ることはこんなにもハードルが高いから、会社が行う解雇は「違法行為」であるケースが少なくありません。

雇い続けることができないほどの病気やケガ、能力の低さ、または勤務態度の悪さがあるという場合と、経営上本当にやむを得ない場合以外は「会社が違法行為をしている」というように主張することができるんです。

そこで、クビを宣告されたときには必ずその理由を問いただしましょう。

労働基準法では、「これは答えなければならない」としているので、クビの理由を聞き出すことができます。クビの理由が正当なものでなければ、クビを無効にさせたり、賠償金を支払わせたりすることができますよ。

クビ宣告してきた会社と闘おう

ここまで、仕事をクビにされそうになったときの対処法として、「会社都合」で辞めることの重要性を中心にお話をしてきました。

では、ここからは具体的な方法です。

仕事をクビにされそうになったとき、責任を取らせるためには、手をこまねいていてもダメです。いかに会社がルールを無視してうようとも、誰かが助けてくれるわけでありません。

それについては、自分自身で闘う覚悟をしなければいけません。

国や第三者は手助けやアドバイスはできても、変わりに争うことはできません。弁護士だって、争う覚悟のない人の弁護はできませんよね。

クビが「違法行為」となるかどうかは、あなたがどこまで争うかによって決まってくると言っても過言ではありません。

もし何もしなかれば、会社はどんなにひどい違法行為をしている場合でも、何の責任も取らなくて済みます。

会社と争う覚悟をきめないことには、何もはじまりません。クビを宣告してきた会社とこのようにして懲らしめましょう!

労働基準監督署に駆け込もう

仕事をクビにされそうになったら、ここまでお話してきた内容を参考に、その違法性を確認し、労働基準監督署に駆け込みましょう。

労働基準法では、1か月前の解雇予告または1か月分の解雇予告手当の支払いを義務づけています。これを支払っていなければ、労働基準監督署に駆け込むことで、会社に支払わせることができます。

まずは、メールや内容証明郵便など、確実な記録が残る方向で自分自身が請求をして、それでも支払われない場合には労働基準監督署へ駈け込めばOK。

そこで必要になるのは、退職によるものではなく、一方的な解雇なのだということを証明することです。

でも、1か月の給与分というのは、クビという違法行為に対して優しすぎるとは思いませんか?もっと厳しい罰を課してもいいはず。

実のところ労働基準法は、労働条件の最低限度を定めているにすぎません。国家が法律で守ってくれるのは「最低ここまで」というきわめて低い水準なんです。

よくよく考えてみると、国家が個人個人のやり取りに介入することはあまり考えられません。実は、労働法のほとんどの部分が民事的な争い(=個人間の争い)の規制にすぎません。

労働法の多くは、国家が強制的に守らせるものではなく、個人間の争いに対する「ガイドライン」にすぎないのです。

ちなみに、解雇予告手当をもらうだけでは納得ができないなら、この解雇予告手当の請求はしない方がいいです。解雇予告手当の請求は、「これが支払われたらクビにされてもいい」という意思表示と受け取られかねないからです。

解雇予告手当をもらうだけでは不満なら、次の方法で解雇予告手当の上乗せをさせて、取り返しましょう。

労働審判制度を活用しよう

仕事をクビにされることが「違法行為」であるかどうかは、あなたが会社と話し合ったり争ったりして、ようやく判明します。

その結果次第で、賠償金をもらえたり、クビを撤回させたりすることもできます。

ただ、この争いではいくら会社が悪質でも、国家は手助けはしてくれません。だから、この先は国家の手助けナシで、自力で争うということを覚悟してください。

通常の裁判では決着がつくまでに何年もかかってしまいますが、労働分野には特別の審理精度があります。これは「労働審判制度」というもので、2006年から使えるようになったものです。

この制度では、弁護士を代理人にして、3回の審理で決着がつきます。裁判官と労働問題の専門家が話し合うため、極めてスピーディに話がまとまります。

数か月で決着するので、裁判よりも圧倒的に早いんです。

でも、この労働審判制度は裁判と違って、審判の結果に異議申し立てをされてしまうと、それ自体は法的な構成力は持ちません。

ただ、専門家を出す結論なので、「裁判をやっても同じことになるぞ」と会社側にプレッシャーをかけることになります。

まともな経営者なら専門家の判断に逆らってまで争うことはしません。実際、労働審判の7割は和解という形で解決しています。

クビを宣告された個人が争う方法としては、現在もっともオーソドックスな方法です。

ユニオンを活用しよう

クビを宣告してきた会社と争う第三の方法は、労働組合(ユニオン)に加入して行う「団体交渉」です。団体交渉とは、労働組合と会社が対等の立場で交渉すること。

労働組合に加入して団体交渉を申し込んだ場合、会社はこの交渉を拒否することはできません。しかるべき会社の責任者が、誠実に交渉しなければいけないのです。

「団体交渉」は会社と対等な立場で徹底的に交渉することができる方法です。とことん争い、相手に「違法行為」の責任を取らせるには格好の方法なのです。

ここで注意しておきたいのは、会社の中の労働組合ではなく、会社外のユニオンの方がいいということ。社内の労働組合は頼りにならないことが多いからです。

クビを宣告してきた会社と徹底的に争いたいときは、利用してみてください。

証拠を集めてよう

クビを宣告してきた会社と争うとなると、会社もいろいろな手を使ってきます。

経営状態が悪いことを示す書類を提示することにはじまり、勤務態度が悪かったことを同僚たちに証言させるようなこともあるでしょう。

場合によっては証拠の隠滅、ねつ造といったことも起こりかねません。

職場で起きた問題だけに、現場を管理している会社は証拠の面で常に有利な状況です。

そんなわけで、証拠集めは重要なポイントです。これは裁判をする場合でも、労働組合で交渉する場合でも、どちらでも重要になってきます。

「証拠」となると何か決定的な、手の込んだものが必要と思われるかもしれません。でも、これが意外と簡単に作れるのです。

まず、自分自身が仕事の内容を日記につけているだけで有力な証拠になります。この日記は、詳しければ詳しいほど証拠能力が高くなります。

いつ、どこで、誰から、何を言われたのか、などということを詳細にメモすることで、証拠としての力が強くなります。細かく記録するのがポイントです。

また、会社とのメールでのやりとりは重要な証拠になります。これは言うまでもなくデーター上に残るからです。

会社のアドレスでやり取りを行っているなら(解雇後にアクセスできなくなる場合)、可能なうちにやり取りの記録をプリントアウトしたり、家のメールアドレスに転送したりするなどして、メールを保存しておきましょう。

さらに、場合によっては上司の発言をICレコーダーで録音する方法もかなり使えます。

「これは解雇ですか?」「解雇の理由は何ですか?」などというやり取りを録音しておけば、のちに会社がウソを言ってきたとしても、「証拠がありますよ!」と、対抗することができるのです。

「内定切り」「試用期間」のクビにも対処できる

ここまでお話してきた内容は、「内定切り」や「試用期間中のクビ」にも同じように使えます。

「内定切り」の場合、内定を出した時点で会社と個人の契約が成立しています。いつから働き始めるのか、っていうのが4月からというだけの話。

だから、この「内定切り」は原則的に解雇と同じです。

使用期間中のクビや内定切りはふつうの解雇よりは、ラクにできてしまいます。でも、それは特別な場合に限ってです。その特別な場合っていうのは、たとえば試用期間の場合、次のようなことが発覚したようなとき。

「実際に採用する前には分からなかった」

 

「ちゃんと働けない事情があったなんて知らなかった」

使用期間中は、労働能力について試してみているわけなので、それ以外の理由でクビすることはできません。

入社するにあたって面接などをして採用しているのだから、だいたいは予測がつくはず。基本的に、使用期間だからといっても、そう簡単に会社はクビにできないのです。

「内定切り」の場合、働くまでに卒業できなかった場合などは、合法的に「内定切り」ができてしまいます。内定を出した段階では分からない事情が発覚したときに、はじめてクビにできるのです。

実際に、最近の「内定切り」でも、ふつうの解雇ほどではないけど、賠償金を払うことで補償しているケースが多くみられます。

「試用期間だから」「内定だから」と諦める必要はまったくないんですよ。

会社をクビになりそうなときの対処法まとめ

仕事をクビになったときの対処法をお話してきましたがいかがでしたか。最後にポイントをもう一度まとめておきましょう。

  • クビを言い渡されてもとりあえず「冷静」になろう
  • 「会社都合」と「自己都合」の違いを知ろう
  • 何としてでも「会社都合」で辞めよう
  • 簡単に退職届を提出してはいけない
  • クビの理由を問いただそう
  • 自分自身で闘う覚悟を持とう

働いている人なら、誰だって仕事をクビになんてなりたくありません。でも、明日には、あなたのデスクが会社からなくなっている可能性だってあるかもしれないのです。

そんなときにこそ、まずは「冷静」になってください。会社の罠にひっかかって「こんな会社、自分から辞めてやる!」なんて言わないように注意してくださいね。

 

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