仕事の悩みは尽きないものですよね。
「人間関係」「仕事のやりがい」「給与・待遇」など、社会人ともなれば学生時代とはまた違ったいろいろな悩みを抱えるようになります。
こちらでも普段から、仕事を悩みを解決する具体的な方法をいろいろとお話させていただいているのですが、共通してお伝えしていることは、仕事の悩みを解決するためには「良き相談相手」を見つけることが大切だということです。
そんな相談相手ですが、具体的にどんな人に悩みを打ちあければいいのでしょうか?またどのような話し方をすればいいのでしょうか?
特に、職場のいじめや上司のパワハラなど、あなたの心に大きなダメージを与えている悩みほど、相談相手の選び方、相談の仕方はとても重要なことです。
自分が受けている行為が果たしてパワハラに該当するのか、それとも教育なのか、一人で判断できないケースも多いと思います。
明らかにパワハラやいじめを受けている方はもちろんのこと、「これはパワハラに当たるのかな?」「もしかして私っていじめられている?」と少しでも疑問に感じるのなら、この記事を参考に良き相談相手を見つけるようにしてみてください。
目次
みんなの悩み相談相手は?
まず最初に、仕事に悩む世間のみんなが誰にその悩みを相談するのかを見てみましょう。
厚生労働省の労働安全衛生調査によると、その結果は次のようになっています。
①「仕事の不安、悩み、ストレスを相談できる相手がいるかどうか」
・・・84.6%がいると回答。
②「その相談相手はだれか」
・・・・家族・友人83.1%、上司・同僚77.9%(複数回答)
一方でこの調査では、実際に相談した人のうち、ストレスが解消された人の割合は31.1%となっており、3人に1人しか、相談した効果がなかったと回答しているようです。
ただ、そうはいっても抱えている悩みを相談するのは、やっぱり「家族や友人、上司や同僚といった身近な人」が現実的。逆に考えれば、3人に1人はそのストレスを解消できたとみることもできます。
軽い一言から「頼れる相談者」を作ろう
会社での人間関係が辛いときは、誰かに話をすることが大事です。
胸のうちを聞いてもらい、「たいへんだね」と共感してくれる人がいれば、しんどい思いは半減すると言っても過言ではありません。
たとえ具体的なアドバイスをもらえなくても、話を聞いてもらうだけで、気持ちの整理がつき、おのずと解決策が見いだせることもあります。
悩みを抱え込まないためには、職場に誰かひとりでも、相談できる友がいるのがベストです。
ただ職場では、信頼できる相談相手など、なかなか見つかられないかもしれません。職場は仕事をして、お金をもらう場所。
友人を作るなんて考えたこともないし、ざっくばらんに胸の内を話すなんてとてもできない。そんな気持ちから、職場で孤独な思いをしている人もいるかもしれません。
でも、よくよく考えてみてください。
人は、そもそも群れる生き物です。集団の中で誰かとつながろうとするのも、独りぼっちを避けて仲間を作ろうと思うのも、人間の自然な本能です。
ですから「会社では友人を作るべきではない」などと思わずに、むしろ積極的に友と求めてみてはどうでしょうか。
「でも、今さら友達を作ると言っても、何をすればいいのか。話してみたい人はいるけど、どう声をかければいいのか、よくわからないし・・」
もし、このように思っているのなら、たとえばこんなやり方はどうしょうか。
お昼時や休憩時間など忙しくなさそうなときに、その話してみたい人に対して、自分がいいと思っている部分を、それとなく褒めてみるのです。
「いつも元気がいいですよね。何か秘訣でもあるのですか」
とか、
「テキパキしてて、毎回、会議の段取りも素晴らしいです。今度やり方を教えてもらえませんか」
といった感じです。あるいは、本当にいいなと思ったなら「その服、素敵ですよね。どこで買ったんですか?」と聞いてみるのもいいでしょう。
要は「あなたに注目しています。関心があります」ということを、さりげなく伝えてみるのです。
心にもないことを言えば、相手は違和感を覚えるでしょうが、本気で思っていることを素直に言えば、人は悪いようには受け止めません。
いいところを言ってもらえれば、むしろ「評価されている」と感じ、仲良くなるきっかけになるはずです。
またなかには、
「親しくはないけれど、何となく頼ってみたい人がいる。でも、友達でもないのに相談したら、変な人だと思われるのではないか」
と思う人もいるかもしれません。
このようなときは思い切って、「すいません、ちょっと聞いてもらいたいのですが」と、話かけてしまってもいいと思います。
「この人は信頼できそうだ。思い切って悩みを打ち明けてみよう」と感じたなら、その真剣さは必ず相手にも伝わります。
真剣に相談されて、「何この人、変な人」なんて迷惑に感じる人はめったにいませんし、よっぽど忙しいときでければ、「頼られても困るんだけど・・」と思う人も少ないでしょう。
困ったときは、人に頼り、力を貸してもらう。その代わり、自分も、誰かに頼られたら力を貸す。
こうして、仕事の悩みを通じて得られる友情は、きっと人生におけるかけがえのない宝物になるはずです。
家族はいちばん近くにいる相談相手
仕事の悩みを相談する相手は友達でなく、家族でもかまいません。
「家族に仕事の話なんかしても理解してもらえるわけない」と思うかもしれませんが、たとえ理解してもらえなくても、話すだけで楽になれることもきっとあります。
両親でも兄弟でも、家族のだれかをつかまえて「とりあえず、私の話を聞いてくれる?」と頼んでみましょう。聞いてほしいと頼まれれば、家族はうっとうしがるどころか、むしろ真剣に耳を傾けようとするはずです。
悩みを抱えていると知ったら、親や兄弟に心配をかける・・。そんな気遣いからなかなか相談できない人もいるでしょう。そういう思いやりや優しさは、とても大切なものに、違いありません。
でも、家族は本来支え合うもの。
大変なことがあったとき、しゃべって、愚痴って、悪いものを吐き出して、元気を取り戻す手助けをするのも、家族の大事な役割です。
そもそも人が夫婦になり、家族を営むのは、子孫を残すたけだけではなく、ひとりでは乗り越えられない問題を集団の力で乗り越えるためなのです。
家族は、悩みや愚痴を聞かせるために存在する。
そのくらいの気持ちで、家族を思い切り頼って心の支えにするのも、しんどさの解決方法の一つです。
人事部に相談してみよう
家族に悩み相談することで、話をきいてもらえたことにより気持ちは楽になりますが、詳しい社内事情がわからない以上、具体的な解決方法を望むのは少し厳しいかもしれません。
そんなときは、会社の人事部や2段上の上司に相談することも検討しましょう。上司のパワハラがひどい、職場でいじめられているなど、その悩みが大きいときは効果的です。
「若い自分が人事部にそんな相談をしていいの?」と思われるかもしれませんが、そんなことは全然気にしなくても構いません。
具体的な相談方法はこちらの記事の中にまとめていますので一度確認してみてください。
詳しくはこちらへ>>パワハラ上司対処法。その特徴と心理を知ればあなたの心はきっと軽くなる!
相談することで前進することができる
仕事で悩みを抱えたとき「なぜこんなことに・・」と驚き・怒り・悲しみなどの感情を感じると思います。
それまで一生懸命にやってきたのに認められなかったという思いは、あまりも悲しい出来事です。今までの自分の努力を否定されたように感じるからです。
ところがこれらのネガティブな感情は、「いつまでもそんな感情を引きずっていたら進歩がない」「グズグズ言ってないで頑張らなきゃ」というような思いの中、驚くほど軽んじられるものです。
本人はそれらの感情を手放せずにいても、相談した相手が「いつまでもそんなことばっかり言ってないで」と先に進むことを求め、悩んでいる感情を封印をしてしまうこともあります。
いつまでもグズグズと悩んでいると、立ち直ることができないよ、と言っているわけです。
しかし、これは全くの間違いです。
人はグズグズと悩みを相談することで、前進できるのです。
自分が失ったものは何なのかを感じることも大事
ここで人が悩みを相談することの大切さを少しお話していきます。
相談することには、2つの効果があります。
一つは、自分の感情を受け入れること。
何かしらの悩みを解決するときには感情の変化が必ず伴いますが、その変化にはこちらの記事仕事で自分に自信が持てない。傷ついたあなたの心はこれだけで回復することができる。でお話したように、「悲しみのプロセス」が必要です。
何らかの悩みを解決していくためには、「自分の感情を感じていく」ことがとても大切なのですが、ただこの「感じる」という行為が、悩みを抱えている状態では冷静に行うのがとても難しいのです。
「こんな風に悩んでいる自分は弱いのではないか」
「相手だって悪気があったわけではないし、それに対して自分は怒るなんて、人間として小さいのでは」
「こうやって感情的になっていること自体が未熟なのでは」
と、自分を否定する感情が全面にでてしまいがちなのです。
相談相手に感情のブレーキを外してもらおう
そんなとき、相談相手に悩みを打ち明ければ、そのようなブレーキを外してくれます。
「一生懸命やっているのに本当にひどいね」
「人材の価値がわからない会社だね」
「怒って当たり前だよ」
などと言ってもらえば、自分の感じ方を肯定してもらえますから、安心することができます。
そんな中でだんだんと悩みを前向きにとらえ、「そろそろ前に進もうかな」と素直に思えるようになってきます。これは感情にフタとして「前進しなければ」と思っているときとは全く違って、「頑張りすぎ」ではなく「頑張り」につながっていきます。
相談することで関係が豊かになる
人に悩みを相談することのもう一つの効果は、人から支えられているという感覚が持てることです。
悩みを解決するときには、人に支えてもらうことが本当に役に立ちます。
特に結婚して旦那さん、奥さんがいる方は、悩みを相談することをよしとせずに相手に事情を話さないいると、その後に関係が悪化してしまうことがあります。
例えば、リストラのような悩みが大きいときは、必ず相談するようにしておきましょう。
そもそもリストラされるというのは「恥ずかしい」ことですから、それについて自分の気持ちを話すのは情けないと思う人も多いはずです。
「男たるもの、仕事のことぐらい自分で片をつけるべき」などと思っていて、自分の胸中を語らず、その代わりにアルコールにばかり依存してしまう、などというタイプの方もいます。
勇気を持って相談しよう
こんなときは少しの勇気を持って相談するほうが、はるかに事態を前進させますし、支えてくれる相談相手との関係も豊かなものになります。
「自分の気持ちなど、同じ体験をした人にしかわかるはずない」と思うかもしれません。それも事実かもしれません。
しかし、一生懸命やっていたのに相談もなく突然裏切られた、というような事態は絶対に避けなければいけません。
気持ちを素直に話すことによって、「大変なんだね」と共感的になってくれる人は多いものです。自分が持ちを見失ったときほど、支えてくれる人を大切にしてください。
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